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100年以上の歴史を誇る「登美の丘ワイナリー」に研修に行って参りました。
1909年に小山新助氏により山梨の甲府に設立され、1936年にサントリー(当時は「寿屋」)が農園の経営を継承し、以来日本ワインの発展をけん引してきました。

今回はサントリーワイン事業部 松本講師にブドウ畑をご案内して頂き、高品質ワインを作るための様々な工夫や努力をご解説頂きました。

日本におけるブドウ栽培は非常に難しく、
1)雨量が非常に多い➡ブドウの樹が水を吸い上げるため果粒内の糖度が下がる(アルコール発酵に十分でない)、カビ病などのリスクが高くなる
2)温暖化の影響で、昼夜の寒暖差が少ない➡酸度が下がり、その影響で糖分も減る
3)市場のトレンドが目まぐるしく変わるため、ワインのスタイルを長期的な視野で決めづらい
そのためブドウの樹は15年程度で植え替える(古木の割合は低い)

ここでは地元の農家さんと一緒にブドウ栽培に取り組んで、正に助け合いモノ作り
また温暖化対策として副梢栽培(ふくしょうさいばい)を実験的に行っています。
最初に出た赤ちゃんブドウの房を取り除き、後から出てきた芽を成長させます。
これにより成長サイクルを40日遅らせることができ、秋風が吹く涼しくなった頃に収穫出来ます。
これらは全て社員や農家さんがボランティアで行っていて、多くの人の手により生み出されるワインは、モノ作りの大変さと、面白さを感じさせてくれます。

現在研究段階の「副梢栽培」
副梢栽培は新梢の先端を切除し、そのあとに芽吹く脇芽を育てることにより、ぶどうの成熟開始時期を遅らせるこれにより秋風が吹く涼しくなった頃に収穫が出来る。(温暖化への取り組み)

山をくり抜いた熟成庫
熟成庫内の温度は年間を通して約14度

熟成中のワイン樽

ワイン熟成が終わると、一部はウイスキー蒸留所に移されウイスキー熟成に使用されます

3大貴腐ワイン以外で、自然に貴腐菌が付いたのはここ登美の丘ワイナリーが初。
リースリング・イタリコから貴腐ワインが作らています。

5種のワインをテイスティング

ワイナリー内にあるテイスティングルームとワインショップ

ワイン造りでは数千年の歴史のヨーロッパと比べると、まだまだ新参者の日本ワインですが、
ワイナリー会社のモットー『やってみなはれ精神』で黒船に果敢に挑戦!

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