勝沼 2023ヴィンテージ 甲州ブドウ収穫
2023年9月の最後の週末に、山梨の勝沼第一ブドウ園で2023ヴィンテージの甲州ブドウを収穫しました。
2023年は100年に一度の記録的な猛暑日続きの一年でしたので、我々人間には辛い年でも、
ブドウにとっては、しっかり糖度が乗って、非常に素晴らしいヴィンテージとなりました。
第一ブドウ園は、江戸時代以前から続く老舗のブドウ園で、甲州を発見したと言われる
雨宮勘解由の直系のブドウ農家だそうです。
(甲州ブドウのルーツには諸説あり、関西発祥ともいわれています。)
甲州ブドウは日本固有の品種で、2010年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に認定され、
EUには ‘Koshu’ と品種名をラベル表示したワインを輸出可能となりました。
2013年には、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたのに伴い、甲州はヨーロッパでは
密かなブームになっているそうです!
甲州は白ワイン用のブドウですが、色を見ると分かるように、淡いグレーがかった紫色
を呈しています。
ピノ・グリなどと同じくグリ系品種(果皮が灰色の白ワイン用品種)です。
果皮から香りの成分を多く抽出しようとすると特有のえぐみが溶け出すため、そのえぐみや
ボディの弱さを隠すために、かつては甘口に仕立てる生産者が多かったです。
現在はチャレンジ精神溢れる生産者により、甲州の新たな可能性に挑戦する試みが行われています!
雨量の多い日本では、まだまだ垣根仕立てよりも棚仕立てで栽培する生産者が多いです。
因みに棚の高さは生産者の背丈に合わせて作られています。
収穫は機械収穫ではなく全て手摘みで、腐敗した果粒は全て丁寧に取り除きます。
葉っぱの上に見える白い斑点はボルドー液です。
ボルドー液は主要ブドウ産地でも100年以上前から伝統的に使用されている農薬の一種で、
硫酸銅と生石灰を混合して作られます。
欧州に比べて圧倒的に雨量が多い日本では、ブドウをカビ病から守るためには必要最低限の
量を使用しています。
収穫の合間にみんなでランチタイム♪
第一ブドウ園は江戸時代には江戸城や宮内庁にブドウが献上され、下の写真の門から
当時の位の高い方がブドウ園に入られたそうです。
甲州ブドウは日本固有の品種ですが、そのルーツを辿ると、ジョージア辺りからシルクロードを通って、
中国やアジアを交配しながら、日本に渡ってきたと言われています。
DNAを調べると、4分の1がアジア系品種、4分の3が欧米系の品種からなっているようです。
ブドウの樹には、十分に完熟した薄紫色のブドウや、酸が残るまだ淡いグリーン色のブドウもありますが、
一緒に収穫して糖と酸のバランスを取ります。
人間と同じく、多様性によりバランスの取れたワインが出来るのでしょう!
一籠10kgのブドウを一人約15~18箱を収穫して、合計7tのブドウを収穫出来ました。
収穫を終え、帰路に向かうバスで飲むビールの美味しいこと!
美味しいワインになることを祈って乾杯🍻❣
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